ルイジアナ州にある人気観光地、ニューオーリンズには第二次世界大戦を扱った大きな博物館(国立第二次世界大戦博物館(The National WWII Museum))があります。
私たちはテキサス州フレデリックスバーグにある、太平洋戦争に特化した「太平洋戦争ミュージアム(National Museum of the Pacific War)」も訪れたことがあるのですが、その太平洋戦争ミュージアムに負けず劣らずレベルが高いので、ニューオーリンズに来たなら足を運ぶ価値ありな博物館です。
第二次世界ミュージアム 基本情報
アクセス
「第二次世界大戦ミュージアム」はニューオーリンズの人気観光地「フレンチ クオーター(French Quarter)」から徒歩20分ほど。
私たちの宿泊したインターコンチネンタル・ニューオーリンズからは徒歩12分程度です。
5つの建物に分かれていますが、全て歩いてすぐの距離なので移動は問題ないです。
LOUISIANA MEMORIAL PAVILION
SOLOMON VICTORY THEATER
CAMPAIGNS OF COURAGE
US FREEDOM PAVILION:
THE BOEING CENTER
JOHN E. KUSHNER RESTORATION PAVILION
The National WWII Museum | |
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住所 | 945 Magazine St, New Orleans, LA 70130 |
営業時間 | 9:00 AM – 5:00 PM *マーディ・グラス、サンクスギビング、クリスマスイブ、クリスマスは休館 |
ホームページ | https://www.nationalww2museum.org |
マップ |
駐車場
ミュージアムの駐車場は「1024 Magazine Street」に面しています。
料金は以下の通りですが、詳しくは公式ホームページでご確認ください。
- 0–1 時間 $6
- 1–3 時間 $10
- 3–7 時間 $12
- 7–12 時間 $18
- 12–24 時間 $40
料金
チケットの購入は5つの建物のうちメインエントランスである「LOUISIANA MEMORIAL PAVILION」で購入できますが、オンラインでもOK。
大人 : $28.50
シニア(65歳以上): $24.50
ミリタリー(現役・退役): $18*(要ID)
学生 : $18*(要ID)
小人(6歳以上): $18
小人(5歳以下): 無料
1日では周りきれない!という方には追加料金7ドルで2日目も見学できます。
フレデリックスバーグにある「太平洋戦争ミュージアム(National Museum of the Pacific War)」では2日目は無料だったので、少し高い印象です。
また、潜水艦の中を探検できる「Final Mission」や、トム・ハンクス主演の映画「Beyond All Boundaries」もそれぞれ別途7ドルで購入できます。
私たちは時間の都合で参加できなかったのですが、レビューはかなり良いです。
第二次世界大戦ミュージアム 見どころ
Road to Tokyo
こちらは日本にクローズアップしたエリア「Road to Tokyo」。
ガダルカナル島の戦いやフィリピンの戦いなど、日本の当時の戦況を詳しく時系列で展示されています。
展示の仕方がとても凝っていて、また解説もくわしく勉強にはなるのですが、日本を極悪非道な野蛮人のように描かれている部分があって少し居心地は悪かったです。
フレデリックスバーグにある「太平洋戦争ミュージアム」を訪れたときは、単に歴史を伝えているだけで日本を悪者のように描写されているとは感じなかっんですけどね・・・。
なのでこちらのミュージアムは「アメリカ目線で作られた博物館」ということを念頭に置いて見学した方がよさそうです。
こちらは日本が空襲にあった地域のマップ。
私は田舎の方は空襲の被害はなかったものだと思っていたのですが、日本全国が空襲の標的になっていたようです。
こちらはアメリカ軍により日本国民宛にばらまかれたビラ。
「アメリカ軍は裏面に記載のある都市を空爆します。ですが我々は罪のない人を傷つけたくないので、標的である都市から避難してください」
とあります。
こんなビラの存在は私は全く知りませんでしたが、当時の日本国民でこれを信じて本当に避難した人はいるのでしょうか?
こちらは原爆を落とされた広島・長崎。
ここを最後に日本の降伏・終戦へと続きます。
Road to Berlin
お次は「Road to Tokyo」の1階にある「Road to Berlin」。
こちらはドイツに焦点をあてた展示になります。
連合国であるアメリカ、イギリス、ソ連と枢軸国であるイタリア、ドイツの代表者のパネル。
こちらも展示は盛りだくさんで、日本人としては(多分)なじみのない、北アフリカ戦線やバルジの戦いなどについて詳しく学ぶことができます。
また、ユダヤ人迫害の様子も生々しい映像とともに紹介されています。
ここで私の目を引いたのが、日本人ながらもヨーロッパ戦でアメリカ陸軍として活躍した「ウチムラ キヨタカ」さんのパネル。
第100歩兵大隊という部隊に従事し、イタリアとフランスで活躍され「パープルハート章」という名誉戦傷章をアメリカから1944年に授与されています。
日本人でアメリカ人として戦争に参加した人の話はあまり聞かないので興味深いです。
第100歩兵大隊(だいひゃくほへいだいたい 英: 100th Infantry Battalion)は、第二次世界大戦中のアメリカ合衆国陸軍においてハワイで戦前から徴兵によって軍務についていた兵士達を中心に編成された部隊。ヨーロッパ戦線に投入され、イタリア戦線、フランス戦線でドイツ軍相手に戦闘をした。第二次世界大戦中の死傷率314%(のべ死傷者数9,486人)。 日本国内では日系人部隊として第442連隊と共に知られる。
引用「Wikipedia」
The Arsenal of Democracy
こちらはアメリカを中心に太平洋戦争について詳しく解説されたエリア。
アメリカがどのように参戦することになったのか時系列で展示されています。
アメリカ参戦後のアメリカの様子を再現したエリア。
1,600万人ものアメリカ国民(当時の人口の10%)が戦地に赴き、その家族への影響はどんなものだったのかを説明しています。
下記は1942年当時のスタイルを再現したアメリカの家庭のようす。
砂糖が貴重だったため、砂糖を節約するレシピを目玉にしたレシピブック。
こちらはリビングルームですが、アメリカの国旗色で「V」とたくさん並べられたバナー(?)。ビクトリーのVでしょうか。
子供の洋服やおもちゃまで戦争一色です。
真珠湾攻撃の後からアメリカに住む日本人は疑惑と軽蔑の目で見られ、1942年にはルーズベルト大統領の命令の下、捕虜収容所に送られることとなった当時の様子が解説されています。
どこにでもある普通の高校のようにドラマクラブやその他課外活動もあったようですが、有刺鉄線で囲まれた敷地内に限られたようです。
マンハッタン・プロジェクト
こちらは原爆がどこでどのようにして作られたかを展示したエリアです。
ナチスよりも早く原爆完成させようと秘密裏に進んだ「マンハッタン・プロジェクト」。実際に原爆をテスト試行した当時の映像とともに、当時の開発基地も紹介されています。
125,000人もの人員と2ビリオンドル(もはや数えられない)を投入したこのプロジェクトですが、このプロジェクトに携わったほとんどの人が実は何を作っているのか知らなかったそうです。
私は「日本は原爆を落とされた」という知識しかなく、原爆がどこでどのように作られたのかなんて今まで考えたこともなかったです。
日本人にとっては複雑な心境になるエリアですが、歴史を知る上で重要なポイントとなるのではないでしょうか。
Dデイ・ノルマンディー上陸作戦(The D-Day Invasion of Normandy)
「Louisiana Memorial Pavilion」の3階に位置するこのエリアでは「Dデイ・ノルマンディー上陸作戦」に関する展示が見られます。
「ソード・ビーチ」「ジュノー・ビーチ」「ゴールド・ビーチ」「オマハ・ビーチ」「ユタ・ビーチ」という5箇所に分けられたそれぞれに連合国が上陸を試みた当時の様子を詳しく説明されています。
ノルマンディー上陸作戦は、第二次世界大戦中の1944年6月6日に連合軍によって行われたドイツ占領下の北西ヨーロッパへの侵攻作戦。
最終的に200万人近い兵員がドーバー海峡を渡ってフランス・コタンタン半島のノルマンディー海岸に上陸した。現在に至るまで歴史上最大規模の上陸作戦である。
ノルマンディー上陸はヨーロッパ戦線の転機となった作戦であり、第二次世界大戦中最もよく知られた戦いの一つでもある。本作戦で用いられた用語「D-デイ」は作戦決行日を表し、現在では主に作戦開始当日の1944年6月6日について使われる。
引用「wikipedia」
ボーイングセンター(US FREEDOM PAVILION: THE BOEING CENTER)
このボーイングセンターでは第二次世界大戦で使われたタンカーや飛行機が展示されています。
飛行機も間近で見られるように通路が用意されていますが、高所恐怖症の人は遠慮してね、と注意書きがありました。
高いところが平気な人だけどうぞ。
JOHN E. KUSHNER RESTORATION PAVILION
ここは「STEM (science, technology, engineering, and math) ギャラリー」です。
科学・テクノロジー、工学技術、数学をどのように用いて第二次世界大戦で活用されたかを解説しています。
こちらは救急車
不衛生な上に乗り心地悪そうです・・・。
とはいえ戦線で1人でも多くの兵士を救うため、寒さを遮断する工夫がされ、ヒーターを備え付け、必要最低限のペニシリンやモルヒネなどを備えた救急車です。
実際にこの救急車が使われている写真。
1944年のDデイに多数の死者を出したオマハビーチで。
こちらは上陸用舟艇でトレーニング中の写真。
これは24人の戦士を載せても水に浮き、かつ港がなくとも海岸に上陸できるようにと開発された上陸用舟艇です。
1944年7月11日にフランスで戦闘中の写真。
機関砲は滑空機に搭載するためには軽くなくてはいけないが、同時に機関砲としての役割も果たさなければいけない。そこでどのようにして解決したかという説明がされています。
興味のある方は一読して見てください(↓)。
まとめ
テキサス州フレデリックスバーグにある、太平洋戦争に特化した「太平洋戦争ミュージアム(National Museum of the Pacific War)」に負けないくらい大きく見応えのある博物館です。
個人的には太平洋戦争ミュージアムの方が良かったと思いますが、ニューオーリンズ を訪れる機会があるならば足を運んでみる価値のある博物館だと思います。
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