ハイアット リージェンシー横浜に宿泊した際、徒歩5分の距離にある日本郵船 氷川丸を見学してきました。
かつての豪華客船タイタニックを彷彿とさせる貨客船で、当時の旅客の生活の様子が垣間見えてとても興味深かったです。
日本郵船氷川丸 基本情報
氷川丸は日本郵船が1930 年にシアトル航路用に建造した貨客船です。
戦争中は海軍特設病院船となりましたが、戦後は貨客船に戻り、1953年にシアトル航路に復帰。
1960年に引退した後、1961年より山下公園前にて海の教室ユースホステルとして開業。その後は観光船として活躍した後、2008年に「日本郵船氷川丸」としてリニューアルオープンしました。
戦前の日本で建造され現存する唯一の貨客船であり、造船技術や客船の内装を伝える貴重な産業遺産として高く評価され、2016年に重要文化財に指定されました。
日本郵船氷川丸 | |
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住所 | 日本、〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町 山下公園地先 |
営業時間 | 月曜日:定休日 火〜日曜日:10時00分~17時00分 |
ホームページ | https://hikawamaru.nyk.com/ |
マップ |
アクセス
日本郵船 氷川丸は山下公園前にあり、中華街やカップヌードルミュージアム 横浜、横浜赤レンガ倉庫などの観光スポットに近く、とても便利な立地にあります。
電車 |
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市営バス | JR根岸線「桜木町駅」1~3番バス乗り場
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シーバス (水上バス) |
JR「横浜駅」東口シーバス乗場(終点「山下公園」下船すぐ) |
車 | 首都高速「横浜公園」「新山下」より5分 *駐車場はなし |
入館料
2023年9月現在の入館料は以下の通りです。
一般 | 300円 |
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シニア(65歳以上) | 200円 |
中学生・高校生 | 100円 |
小学生 | 100円 |
他の施設との併用で割引が受けられることもあるので、ホームページにて確認してみてください。
日本郵船 氷川丸 見学
Bデッキにあるエントランスを経て、早速見学を開始します。
一等児童室
一等船客専用の遊戯室。
“スチュワーデス”と呼ばれる子どもの世話をする女性乗組員がいて、託児所としても使われたみたいです。
一等食堂
一等船客専用のダイニングサロン。
かなり豪華な装飾です。
お食事内容ももちろん豪華。
階段でAデッキへと上がります。
一等読書室
ゆったりと読書を楽しむお部屋。
一等社交室
読書室の先には一等社交室が。
船内の公式レセプション会場として使用され、夜はダンスパーティーの会場になるなど、一等船客の女性の社交場として使われたお部屋です。
天井、柱、入り口ドアは竣工時と同じオリジナルの装飾だそうです。
展示室(シアトル航路の旅)
こちらは資料館になっていて、シアトル航路の展示がされています。
1930年の横浜・シアトル間の片道運賃が展示されていました。
- 一等客室(ファーストクラス):250ドル(500円)
- 二等客室(ツーリストクラス):125ドル(250円)
- 三等客室:55〜70ドル (110〜140円)
一等客室(ファーストクラス)は片道500円。
当時の日本郵船の初任給は70円だったそうなので、2023年の初任給25万円をもとに逆算すると、ファーストクラスの片道運賃は約180万円。高い・・・。
3等客室でも約40万〜50万円もしたんですね。
当時はシアトル・横浜間の航海に13日間かかったそうなので、12泊13日と考えると、ファーストクラス1泊が約15万円。
やっぱり高いですね・・・。
航海で必要だった器具たち。
ダンスパーティーの開催のお知らせや、日付変更線を通過することの連絡など、手書きのお知らせを見ることができます。
一等喫煙室
喫煙室では、世界の上級品のお酒やたばこを楽しみながら、カードゲームなどで遊ぶ男性の社交場だったようです。
一等客室
一等客室では保温水(お湯?)の出る洗面台がついていたそうです。
ベッドは寝心地も良いアメリカ製、換気・空調設備も自分で自由に調整できるなど、1930年でも意外と快適に過ごせる客室だったみたいです。
一等特別室
こちら一等特別室は一等客室より更に豪華で、チャップリンなど各国の貴賓や著名人が利用したスイートルーム。
バスルーム。
リビングルーム。
屋外デッキを通って次へ進みます。
階段を上ってN1・N2・N3デッキへ。
操舵室
操舵室は船の総司令室。
24時間体制で運転士(現在の航海士)が船の安全を守っていました。
船長室
操舵室から最も近い場所にある、船長専用のお部屋。
ここにベッドもあり、船長のオフィス兼寝室だったようです。
上層デッキから見える横浜の街を楽しみつつ、C・Dデッキまで降ります。
展示室【氷川丸の航跡】
こちらでは氷川丸の誕生から引退までの歴史が、当時の写真とともに展示されています。
戦争中にも病院船、戦後は復員軍人や一般法人の引き揚げ輸送船として活躍したことなど、激動の時代を生きた氷川丸の歴史を詳しく知ることができます。
機関室
機関室では現役時代のままのエンジンを見学できます。
機関室と同じデッキに三等客室があるはずなのですが、私たちが訪れたときは閉まっていて見ることができませんでした。
お手洗い
余談ですが、こちらは女性用トイレ。
「Ladies」と英語で案内の横に、貴婦人のイラストがあります。
最後に
日本郵船 氷川丸は山下公園のすぐ目の前にあり、散歩がてらふらっと立ち寄ってみました。
一部見学できない場所もありましたが、当時の旅客船の様子を知ることができて楽しかったです。
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